こんにちは、つばきいとです。
今回取り上げる作品は、山本白湯さんの「恋愛マトリョシカガール」です。
cakesで連載されているのをたまたま見つけて読んだのが、山本白湯さんとの出会いでした。
そこから、山本白湯さんの描く、人間描写の深さに圧倒され、更新を楽しみにするファンとなってしまいました。
もくじ
同じ会社に勤める、やさぐれ女の美央とダメ恋女の理恵
OLの美央は、綺麗でモテるので、言い寄ってくる男とお付き合いしてみますが、いつもいわゆるダメンズばかりと付き合ってしまいます。もう恋愛無理かも、恋愛ってこんなに嫌なものなの?と嘆いていたところ、まともな人と出会ってないだけだと、友人にある男性を紹介されます。
一方理恵は、かわいい自分を自覚しつつ、女に嫌われてきた過去を持っています。綺麗でモテる美央に内心嫉妬しつつ、イケメンとの底無し沼のような恋にズブズブと溺れていってしまいます、、。

理解しようとする、決めつけない
この漫画に出てくる男性は、みな自己中心的で、決めつけてきます。馬鹿ににしてるとも言えます。
「結婚してあげてもいいかな」
「どうせ男いるんでしょ」(→この台詞言ってくるる男の目の表情がうまい!!)
「女ってバカだよな〜結局顔と金でしか見てないんでしょ」
こんな台詞が出てきます。
理恵もそうです。美緒に対して会社で表面上は仲良くしていますが、内心、美緒は男に媚を売らなくてもモテてずるい女と決めつけて妬んでいます。
そんな人間関係に囲まれている中、美央は息苦しそうに見えます。恋愛にも嫌気がさしてしまいます。だって、誰も美央自身を見てないんですもの!
そんな時今まで出会ったことのないタイプの、埴輪同好会の会長である男性に、大切にされ、そのままの美央が素敵だと言われ、今までに味わったことがない感情に埋め尽くされていきます。
美央の話を読んでいると、決めつけて、馬鹿にするの、ナチュラルに自分もやってしまっているかもと気づけます。こんな男達最低だなーと最初は軽く読んでいたのですが、何度も読見込むと、人間描写が深すぎて、思いもよらぬところでブーメランを喰らってしまいます。

自分がなく、見た目で判断してる理恵
一方理恵は、周りの僻んでくる女子を馬鹿にしつつ、可愛い自分を武器に生きてきます。自分磨きを怠らず、可愛いから昔からモテてるんですが、受け身なんですよね。そして、恋愛至上主義。
そんな時、超絶イケメンのあやとと知り合うのですが、付き合ってると思ってるいのは自分だけで、あやとに振り回されてしまいます。
この理恵の溺れっぷり、振り回されっぷり、是非読んでもらいたいいたいです笑。突き刺さる人も多いのではないかな?と思います。
あやとの日常も描かれていますが、結局お互い様、似たもの同士なんだなと読んでいて気づきました。
お互いに見た目しか興味ない、見た目で判断しているんですよね。
お互い、楽しい時だけ、良いところだけ見てる。そんなの一瞬だけだし、続かないんですよね。

彼女たち応援したくなる、そしていつの間にか読者も応援されている
男女が出会って、胸キュンして、ハッピーエンドで終わる話ではなく、美央も理恵も、紆余曲折あり、自分の道を切り開いていきます。
その様子を見ていると、なんだか憎めないし、こういうへましちゃう時もあるよね、と優しく彼女たちを肯定してしまいます。
美央は、綺麗な見た目だけでなく、素の自分を素敵だと受け入れてもらえ、男に合わせた自分より、本当の自分らしさを出して、美しさに磨きをかけていきます。
自分中心、恋愛至上主義だった理恵は、周りにも気を配れるようになるし、人間的にも成長します。
ダメダメだった彼女達が成長していく様子を、もーだめじゃん!!そんな男に引っかかって!!とヤジ入れながらも応援していると、いや、私もじゃん!!ブーメラン!!と、いつの間にか応援されている、そんな漫画です。ぜひ読んでみて下さいね。
※画像はCAKESさんからからお借りしました。現在も連載中です。その後のお話も、衝撃的でとても面白いです↓
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恋愛マトリョシカガール やさぐれ女とダメ恋女 (文春e-book)
- 作者:山本 白湯
- 発売日: 2021/04/14
- メディア: Kindle版
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