今回おすすめする漫画は、谷口奈津子さんの「今夜すきやきだよ」です。

谷口奈津子さんとの出会いは、夫が買ってきた「彼女は宇宙一」を読んだのがきっかけでした。(実は夫も漫画好きなので、家に書庫を作った程です。置ききらなくて、漫画が床にも溢れかえってます)
その後、「教室の片隅で青春が始まる」も読んで面白かったので、新作の「今夜すきやきだよ」も読んでみたのでした!

あらすじ
あまり売れてない絵本作家&イラストレーターのともこと、内装デザインの仕事をバリバリこなすあいこは、現在シェアハウス中。
ともこは家事・料理が好きで得意。正反対に、あいこは家事・料理が壊滅的に苦手だけど、仕事は好き。
2人は、お互いの凸凹を補うように、シェアハウスを楽しんでいます。
そんな日々を楽しんでいる2人なのですが、ともこは、恋愛に興味がなく、仕事がうまくいかないことに悩んおり、一方、あいこは、結婚したい大好きな彼氏がいるけど、自分が家庭的な人間となり、結婚生活を送るビジョンが持てないことに悩んでいます。
2人は、どちらかが結婚するまで期間限定で、シェアハウスをしようと約束していますが、今の生活でも十分幸せで、、、。
2人はそれぞれ、世間一般の常識に、何だかモヤモヤし、違和感を感じています。
令和の今を生きる2人。彼女達にとっての幸せって何!?
今を生きる人類が感じるモヤモヤ
この作品の中で、登場人物それぞれのモヤモヤが描かれています。
こういうことわかる!!そういうこと私も思ってた!!と、共感する人も多いんじゃないかと思います。
たとえば、ともこなら、料理が好きなので、自分でお弁当を作っていたら、いい奥さんになるね、とか、いいお母さんになるね、と周りからよく褒められるのですが、「私がなりたいものってそれ?褒められても全然嬉しくない。」とずっと違和感を感じていました。
また、周りの、恋愛しないと幸せじゃないといったような、恋愛至上主義にもついていけず、うんざりしています。
一方あいこも、彼氏に手料理や家事をして家庭的になることを求められ、モヤモヤしています。大好きな彼氏と結婚したいけど、苦手なことを求められる結婚生活にもモヤモヤ、、、。
他にサイドストーリとして、作品の中に出てくるともこの男友達も、恋愛すると相手から、男らしさを押し付けられることにモヤモヤを感じています。
また、ともこも男友達も、2人が友達として仲良くしていることを、周りが恋愛関係だと決めつけてくるのにもモヤモヤしています。
最初、タイトルに「女子に・・・」としていたのですが、この男友達も、ずっとモヤモヤしているよなと、ハッとして、「人類に・・・」と変えました。
このように、今を生きる人類が抱えるモヤモヤが、色んなパターンで描かれているのがこの作品の魅力だと思います。
「そういうもんでしょ」というパワーワード
モヤモヤを日々感じている、ともことあいこの中で、「そういうもんでしょ」という言葉がたびたび出てきます。
男女が仲良くしていたら、恋愛関係になるはず、そういうもんでしょ
結婚したら、シェアハウスが継続できなくなるけど、そういうもんでしょ
いざ結婚決まったら、マリッジブルーになっちゃったけど、そういうもんでしょ
2人は違和感を感じたまま、それに蓋をするように、「そういうもんでしょ」という言葉を使っています。
また今まで出会ってきた人たちも、「そういうもんでしょ」と言って物事を解決しようとしていました。
本当に「そういうもん」???
みなさんも、「そういうもん?」って本当に私はそう思ってる?と自問自答してみるといいかもしれません。
昔からやってるから、常識だから、みんなやってるから、これが普通だから、偉い人が言ってるからって言葉に惑わされず、自分で決めて選んでいくこと。
この作品を読んでいたら、そういったことを改めて考えるきっかけとなりました。
女子の永遠に終わらないマウントから抜け出そう
最後に、このサブタイトルについて語らせて下さい。
あいこは、彼氏にプロポーズされたことから、自分の人生を振り返ります。
初彼氏ができたこと、初体験をしたこと、大人になった今プロポーズを受けて、一抜けできる、あちら側に行けるんだ!!という感想を、あいこは感じます。
自分で一抜けた!!と思いながら、違和感を感じている描写がありました。
これって、女子にありがちな、マウントとるのを自然とやっちゃってたのかなと感じました。
周りと比べて、優劣をつけて、経験してないとおかしいとか、色々ありますよね。
私も既婚子持ちのアラフォー。色々ありました。
マウントって気にし出したら、キリがない。
未婚か既婚か、彼氏持ちかそうでないか、住んでる家、夫の職業、子供の有無、兄弟の有無、身につけている物のランク、などなどなど比べ出したらキリがありません。
私も、〇〇じゃないと幸せじゃないと考えてしまっている時がありました。
でも、そんなことは関係なく、自分が幸せならそれでいいんじゃないかと思うんです。
結婚できたらゴールで勝ち組なんてないっす。人と比べて普通を気にしてたら、永遠に幸せを追いかける、いたちごっこになっちゃいます。
まとめ
今回、書きたいことがたくさんあり、うまくまとまってないんですが、ここまでお読みいただいて本当にありがとうございます。
この「今夜すきやきだよ」という作品は、生きとしいける働く全女子だけでなく、全人類が読んでも、共感する部分があると思うのです。
それぐらい、様々なモヤモヤについて、うまく描かれています。
気になった方はぜひ読んでみて下さい。
自分は本当にそう思ってるのかな?とか、自分にとっての幸せって何だろう?と考えるきっかけになる作品だと思います。
ではではまた!
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